エイティーサード

83番目の棚に、酒と言葉を並べる。

横浜の静かな片隅に佇む、たった10席だけの小さなバー。

「この歳だから」という免罪符について

語学が堪能で、日本語も英語も美しく話す方がいらっしゃいます。それだけの知性やコミュニケーション能力があるのに、なぜか「ITリテラシー」のことになると、驚くほど一線を引いてしまう場面に出くわすことがあります。

「この歳だから、こういうのは分からないんだよね」と、どこか誇らしげに、あるいは当たり前のように口にする姿を見かけるたびに、私は少し複雑な気持ちになります。

年齢を理由に新しいものや分からないことから目を背けることは、自分の能力のなさを認めているだけでなく、どこか「分からないままでいること」を良しとする甘えが含まれているように感じてしまうのです。

もちろん、誰もが最初から何でもできるわけではありませんし、苦手意識を持つこと自体はいけないことだとは思いません。ただ、それを学ぶ努力を放棄して、年齢という免罪符を盾に堂々と宣言してしまう姿勢には、どうしても違和感を覚えてしまいます。

分からないのであれば、知ろうとするか、せめて静かにしていればいいのにとさえ思ってしまいます。年齢に関係なく、知的好奇心を持ち続けたいものですし、私も自分の頭で考えることを放棄しない大人でありたいなと改めて思いました。