三連休の最終日。
昨日までの雨は止んだものの、今日も空はぐずつき、湿度が肌にまとわりつく。みなとみらいの街は、お盆休みの静けさに包まれている。オフィスビルの灯りはまばらで、外を歩く人々は半分以上が観光客のようだった。
夕方、開店準備をしながら、氷を砕く小気味よい音とエアコンの涼しい風に耳を傾ける。カウンターの中から見える窓の外では、雨雲と青空がせめぎ合い、光と影の境目が刻一刻と変わっていく。
早い時間に常連のお客様からメッセージが届く。「今日で連休も終わりか」と笑いながら、グラスを掲げる。その笑顔につられて、こちらも自然と口角が上がった。お酒が進むにつれ、話題は仕事から夏の思い出、そして来年の夢へと移ろっていく。
やがて、5周年のお祝いに駆けつけてくれた、親しいバーテンダーが来店。嬉しいことに、当店自慢のシャンパンを抜いてくれた。こういう瞬間が、何よりも心に染みる。
静かで穏やかな夜。三連休の終わりにしては、どこか特別な空気が流れていた。営業を終えるころ、ふと「こんな日々がずっと続けばいい」と思う。それはきっと、この街と、ここで出会った人たちのおかげだ。