この一杯は、グラスに注ぐ前から物語が始まっている
冷凍庫でマイナス23℃まで徹底的に冷やされた、ジャックダニエルのボトル。合わせるのは、当然こだわりの「瓶コーラ」。そして、それを受け止めるグラスもまた、冷蔵庫で出番を待っています。
あなたが扉を開けるずっと前から、このジャック・コークは至福の瞬間を紡いでいます。
「ジャック・コークなんて、ガキの飲み物でしょ?」
どうか、そんな風に思わないでください。
若かりし頃、どこまでも青い空の下、汗をかきながら飲み干したあのコーラの喉越しをあなたはもう、忘れてしまったのですか?
当店は、ウイスキーの愉しみ方は人それぞれであっていい、と考えています。コカ・コーラは立派な割材であり、ジャック・コークは紛れもなく、世界で最も愛されている「ウイスキーベースのカクテル」のひとつなのです。
バーだからといって、背伸びしてお洒落に飲む必要なんてありません。
いい大人だって、時には無性にコーラを欲したっていい。けれど、そこにはテネシーが誇る世界で最も有名なウイスキー「ジャックダニエル」が、静かに、そして力強く寄り添っています。
当店のジャック・コークには、家飲みでは決して辿り着けない「極限のこだわり」を詰め込みました。
まず、すべてを「適切な温度」へ
• ジャックダニエル:マイナス23℃の冷凍庫で、とろみが出るまで。
• 瓶コーラ:3℃の冷蔵庫で、弾ける炭酸を静めて。
• グラス:注がれる直前まで冷凍庫でキンキンに。
• 氷はゆっくりと溶ける大ぶりのものを…
氷が解け出すその前に、一気に喉を鳴らしていただきたい……それが本音です。
合わせるコーラは、絶対に「コカ・コーラ」。
このカクテルにだけは、ペプシ・コーラには遠慮してもらいます。テネシーウイスキー特有のバニラの甘みには、より力強く、厚みのある甘みを持つコカ・コーラこそが、最高の相棒(パートナー)だからです。
そして、最後の一工夫は「炭酸の操り方」。
これは、お客様の様子を見てバーテンダーがその場で調整します。少し息を切らせて当店にお越しになったばかりなら、炭酸を極力殺さず、喉を突き抜けるような尖った喉越しに。
お酒が進み、少しゆったりとした時間が流れ始めたなら、あえて炭酸を少しだけ「殺す」ことで、ウイスキーの香りをより優しく引き立たせる。
これが、家飲みでは決して味わえない、神比率に加えた「バーテンダーの心意気」が詰まった一杯。
そして、ここからが当店の「神比率」
当店のウイスキーの1ショットは、たっぷり45ml。そこに瓶コーラの「半分と、あと少し」を加えます。
一般的なジャック・コークは、1:3や1:4という比率が多いかもしれません。けれど、bar83rdが辿り着いたこの「1:2.5」という比率は、ウイスキーの存在感が際立つ、まさに大人のための黄金比。
コーラの甘みに決して負けない、ジャックダニエル特有のバニラのような香りと、テネシーウイスキーの力強さ。その両方をダイレクトに、かつ完璧な調和で味わえるのが、私たちの誇る「神比率」なのです。
バーのカウンターで、一人静かに喉を鳴らすもよし。大切な誰かと、あの夏の思い出を語らいながら飲み干すもよし。
横浜・馬車道の夜。
あなたが来る前から、マイナス23℃で静かに準備を整えてお待ちしています。


