特別な感情を持たないという、カウンターの距離感
色々な話を聞くのも、バーテンダーのお仕事なのだと感じることがあります。お客様のお仕事の話やご家庭の事情、あるいはある地域のお話など、カウンターを挟むと本当に様々な話題が行き交います。あえて浅く広く構えているくらいが、お客様にとっても心地よい距離感につながるのかもしれません。
色々な方のお話を聞く中で、一番面白いと感じるジャンルは何だろうと考えることがあります。ただ、特定の話題に肩入れしてしまわないよう、特別な感情はあまり持たないように心がけているのも事実です。あまり深追いしない姿勢が、かえって自然な対話を生むのだと思います。
特定のトピックに熱中しすぎると、かえって見えなくなるものがある気がします。ただ目の前のお酒と会話を淡々と受け止めるくらいのフラットさが、この場所にはちょうどいいのかもしれません。
深く踏み込みすぎず、かといって冷たくもならない。そんな絶妙なバランスを保ちながら、83番目の棚に、お酒と言葉を並べるように、今日も静かに皆様のお話を聞いています。