クライゲラキ 13年 – スモーキーとフルーティが同居する、個性派シングルモルト
スコッチウイスキーの名産地・スペイサイド地方にありながら、あえて「王道」を外れたスタイルを貫く蒸溜所。
それがクライゲラキ(Craigellachie)です。13年熟成は、そんなクライゲラキ蒸溜所の個性を色濃く反映した代表的な1本。
シングルモルト初心者にとってはややチャレンジングな味わいかもしれませんが、一度その魅力に気づくと忘れられない「通好みの一本」です。
まず、グラスを近づけると感じられるのは、かすかに硫黄を思わせる独特な香り。
これがクライゲラキの大きな個性のひとつです。加えて、トロピカルフルーツや焼きリンゴ、トフィー、そしてかすかなスモーキーさが混ざり合う複雑なアロマが広がります。
口に含むと、厚みのあるモルトの甘み、熟した果実の風味、そしてハーブのようなスパイス感が次々に現れます。
スモーキーというよりも「焦げ感」に近い独自の風味が、ほかのスペイサイドモルトとは明らかに異なる印象を与えます。
フィニッシュはややオイリーで、温かみのある余韻が長く続きます。
クライゲラキ13年は、かつてはブレンデッドウイスキーの原酒として使われることが多かったものの、シングルモルトとしての実力が再評価され、今や世界的な人気を獲得しています。
特に「昔ながらのスコッチウイスキーの味を知りたい」という愛好家にとっては、外せない銘柄のひとつといえるでしょう。
当店「bar 83rd」では、落ち着いた空間の中でこのユニークなウイスキーをじっくりと味わっていただけます。
ゆったりとした時間の中で、その複雑な味わいを少しずつ確かめるように楽しむのがおすすめです。
スコッチの奥深さと、クライゲラキという蒸溜所の「反骨精神」が感じられる一本。
グレンリベットやグレンフィディックといったスタンダードなスペイサイドモルトに慣れてきた方にこそ、一度は味わっていただきたい「異端の名作」です。