エイティーサード

83番目の棚に、酒と言葉を並べる。

横浜の静かな片隅に佇む、たった10席だけの小さなバー。

激動の一年を振り返って。バーの明かりを消さない理由

プレオープンからの激動の一年間

2019年12月12日、当店は何となくゆっくりとした空気の中でプレオープンを迎えました。当時はまだ先の事態を誰も予想しておらず、順調に滑り出したと思った途端、春には休業要請が出されました。

楽しみにしていたゴールデンウィークのBBQも開催できず、オリンピックの延期など世間が揺れ動く中、2020年8月3日にグランドオープン。その後も時短営業や休業が度重なり、さらには共にカウンターに立っていたスタッフの離脱もありました。飲食店として左右から強い風が吹きつけ、方向を見失いそうになる激動の一年でした。

お客様の笑顔に支えられた、小さな隠れ家

そんな厳しい状況の中で、私のメンタルを強く支え続けてくださったのが、当店のメンバー様や足を運んでくださるお客様でした。

たった数席のカウンターとゆったりとしたソファ席だけの小さな店に、いつもあふれていたたくさんの笑顔。その一つひとつ全てが、困難な時期にあっても、夢だった飲食業を続けることができた最大の理由です。

お酒が繋ぐ人と人との縁を信じて

「どんな時でも、バーの明かりは消さない」

その決意が今も崩れずにいるのは、お酒という潤滑油によって回り続ける、人と人との温かい繋がりを、この場所で実感させていただいたからです。

この一年、お酒に対して世の中では様々な意見が飛び交いました。しかし、人類の歴史において、お酒はいつも私たちのそばにありました。酒が人をダメにするのではない。私はこの先もそれだけを信じて、横浜・関内の空に近いこの場所で、心地よい大人の空間を作り続けていきたいと思います。